始動

  • 「このままでは、商品にならない・・・」試作段階にあった「みず工房」を完成に導いたのは、山崎智雄である。組み立てから品質の評価、部品加工の手直し、設計担当である白武へのフィードバックまで、品質保証の責任者として、多岐にわたる業務をこなした。現在の量産体制は山崎が手掛けたといっても過言ではない。持ち前の頑固な性格が、品質向上に大きく貢献した。そして試作機から数回のモデルチェンジを経て、「みず工房」はついに完成の日を迎えることになる。開発当初、倍近くあった活性炭フィルターも、28mm未満のサイズにまで小型化。よりスマートで使い勝手の良いデザインへと生まれ変わっている。市場を見まわしても、競合する商品は見当たらない。製品としての形が決まっただけではない。生産管理から、品質検査、物流体制、アフターサポートまで、安心して使ってもらうための、すべての準備が整った。
  • また、開発のプロセスの中で原水使用時にフィルター周辺の汚れが除去されることを発見。「浄水器の自動クリーニング機能」として特許出願中だ。これが無事に認定されれば、当社の特許取得数はまた1つ増える。研究開発型メーカーの名に恥じない実績である。きっかけこそ髙城社長のアイデアだが、最初に手を挙げた若きエンジニアたちがいなければ、「みず工房」はこの世に生まれなかった。開発メンバーには、製品リリース後、沖縄旅行がプレゼントされた。しかし、あくまでもタカギの主力商品は庭用の散水用品。この時点では、「みず工房」が事業の柱になるなど、誰も予想していなかった。ただ一人、髙城社長を除いて。
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